12.「鉄筋工事業」/「鉄筋工事」について
※【掲載写真・説明等に関する留意事項】 当サイトに掲載している各建設工事の写真・説明等は、各許可業種の一般的な工事内容をご理解いただくための参考資料として掲載しております。これらの写真・説明等は、当該工事に係る該当業種であることを断定しておらず、該当工事であることを必ずしも保証するものではありません。また、申請に当たっての実際の許可業種や建設工事の判断を個別具体的に示すものではありません。個々の工事における具体的な業種区分や必要な許可につきましては、工事の内容や規模等により異なりますので、各建設工事や各許可業種の判断をされるに当たっては、各法令や通達等を十分熟読し理解され、申請する際は、各許可行政庁に必ず事前にお問い合わせをし、事前相談し、詳細をご確認下さい。

▲鉄筋工事

▲鉄筋工事

▲鉄筋工事 鉄筋コンクリート

▲鉄筋工事 ビル鉄筋

▲鉄筋工事 外壁基礎工事
「業種」(法律別表) 「建設工事の種類」(法律別表)
12鉄筋工事業 鉄筋工事
◆鉄筋工事(業)とは何ですか?
鉄筋工事業とは、建設業法では専門工事業の一つとして、一定規模以上の工事には専門の建設業許可が必要です。鉄筋工事とは、鉄筋コンクリート構造物の中に配置する鉄筋(棒鋼)の加工・組立を行う専門工事のことで、建設工事の種類の一つです。
(主な工事内容)
鉄筋の加工
- 鉄筋を設計図に基づいて必要な長さに切断
- 曲げ加工(フック、スターラップなど)
- 加工場または現場での作業
鉄筋の組立(配筋)
- 基礎、柱、梁、壁、床などへの鉄筋配置
- 鉄筋同士を結束線で緊結
- かぶり厚さの確保(スペーサーの設置)
- 配筋検査の立会い
継手加工
- 重ね継手の施工
- ガス圧接継手(鉄筋同士を熱で接合)
- 機械式継手(カプラーを使った接合)
(鉄筋コンクリート構造における役割)
鉄筋コンクリートは、コンクリートと鉄筋を組み合わせた構造です。
- コンクリート:圧縮力に強いが引張力に弱い
- 鉄筋:引張力に強い
この2つを組み合わせることで、圧縮・引張両方に強い構造を実現します。鉄筋工事は、この鉄筋を正確に配置する重要な工事です。
【鋼構造物工事との違い】
項目 鉄筋工事 鋼構造物工事材料 鉄筋(棒鋼) 鋼材(H形鋼など)構造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造役割 コンクリート内部の補強材 建物の骨組み本体最終形態 コンクリートに埋め込まれる 鉄骨がそのまま構造体 (使用される鉄筋の種類)
異形棒鋼
- 表面に凹凸(リブ)がある鉄筋
- コンクリートとの付着力が高い
- D10、D13、D16、D19など(数字は直径mm)
丸鋼
- 表面が滑らかな鉄筋
- 現在はあまり使用されない
特殊鉄筋
- 高強度鉄筋(SD390、SD490など)
- エポキシ樹脂塗装鉄筋(防錆)
(必要な技術・資格)
- 鉄筋組立作業主任者:現場での作業管理・安全管理
- ガス圧接技能者:鉄筋の圧接継手作業
- 鉄筋施工技能士:1級・2級の技能検定
(施工手順の例(基礎の場合))
- 墨出し・確認
- 下部鉄筋の配置
- スペーサーの設置
- 上部鉄筋の配置
- 結束線で緊結
- かぶり厚さ・配筋間隔の確認
- 配筋検査
- コンクリート打設へ
鉄筋工事は、建物の強度・耐震性を左右する非常に重要な工事であり、正確な施工と品質管理が求められます。建設業法では専門工事業の一つとして、一定規模以上の工事には専門の建設業許可が必要です。
◆鉄筋工事の具体例について、より詳しく説明します。
(建築物の鉄筋工事)
基礎の鉄筋工事
- ベタ基礎:建物全体を支える鉄筋コンクリート基礎
- 底盤部:D10〜D13の鉄筋を縦横200mm間隔で配筋
- 立上り部:主筋D13を4本配置、スターラップ(帯筋)D10を200mm間隔で配置
- 底盤と立上りの接続部の補強筋配置
- 独立基礎:柱の下に個別に設ける基礎
- 柱からの荷重を分散させる格子状配筋
- 定着長さの確保(鉄筋をコンクリート内に十分埋め込む)
- 杭基礎:地盤が軟弱な場合の深い基礎
- 杭頭部の補強鉄筋(らせん筋など)
- 基礎梁との接続部配筋
柱の鉄筋工事
- 主筋:柱の四隅や周囲に配置される縦方向の鉄筋
- D19〜D25の太い鉄筋を使用
- 通常4本〜12本程度配置
- 継手位置は応力が小さい階の中間部に設定
- 帯筋(フープ):主筋を取り囲む横方向の鉄筋
- D10〜D13を100〜200mm間隔で配置
- 地震時のせん断力に抵抗
- 主筋の座屈防止
- 柱の端部(梁との接合部)では間隔を密にする
- 継手の種類
- 重ね継手:鉄筋を一定長さ重ねて結束
- ガス圧接継手:鉄筋端部を加熱・加圧して接合
- 機械式継手:カプラー(継手金物)で接続
梁の鉄筋工事
- 上端筋:梁の上部に配置(負の曲げモーメントに抵抗)
- 支点付近で多く配置
- D16〜D22程度
- 下端筋:梁の下部に配置(正の曲げモーメントに抵抗)
- スパン中央部で必要
- あばら筋(スターラップ):梁を囲む垂直方向の鉄筋
- せん断力に抵抗
- D10〜D13を100〜200mm間隔
- 支点付近で間隔を密に
- 腹筋:梁せいが大きい場合の側面補強筋
床スラブの鉄筋工事
- 上端筋・下端筋:スラブ厚に応じた配筋
- D10〜D13を200mm間隔でダブル配筋(上下2段)
- 片持ちスラブでは上端筋を強化
- 開口部補強:配管やダクト用の開口周りの補強筋
- 斜め補強筋の追加
- 開口縁の補強筋
壁の鉄筋工事
- 縦筋・横筋:壁面に格子状に配筋
- D10〜D13を200〜300mm間隔
- ダブル配筋(内外2面)が基本
- 耐震壁:地震力に抵抗する構造壁
- 通常の壁より密な配筋
- 開口部周りの補強
- 境界梁・境界柱との接合部配筋
階段の鉄筋工事
- 段裏に沿った主筋配置
- 踏面・蹴上げ部分の補強筋
- 階段の両端部(梁との接合部)の定着
(土木構造物の鉄筋工事)
橋梁の鉄筋工事
- 橋台・橋脚:橋を支える構造物
- 主筋D25〜D35の太径鉄筋使用
- 帯筋・スパイラル筋での拘束
- 大量の鉄筋を正確に配置
- 床版:車両が走行する橋の床部分
- 上下2段の密な配筋
- 輪荷重に耐える設計
擁壁・護岸の鉄筋工事
- 逆T型擁壁:道路や宅地の土留め
- 底版の配筋(土圧に抵抗)
- 壁部の配筋
- 水抜き孔周りの補強
- L型擁壁:省スペース型の擁壁
- 底版の片持ち部分の配筋強化
トンネルの鉄筋工事
- 覆工コンクリート:トンネル内面の仕上げ
- 円形断面に沿った鉄筋配置
- 鉄筋メッシュの使用
- インバート:トンネル底部の構造
- 地盤からの押上げ力に対応
ボックスカルバート:道路下の水路や通路
- 底版、側壁、天井の配筋
- 隅角部の補強筋
- 土圧・水圧を考慮した配筋設計
水槽・浄化槽
- 水密性を確保する密な配筋
- ひび割れ制御筋の配置
- 壁と底版の接合部の止水板周りの配筋
(プレキャスト製品の鉄筋工事)
PC板(プレキャストコンクリート板)
- 工場で製作される床版や壁パネル
- 精密な鉄筋加工と型枠内配置
- PC鋼材(高強度鋼線)の配置と緊張作業
パイル(既製杭)
- 工場製作のコンクリート杭
- らせん筋と主筋の組み合わせ
- 杭頭部の補強
(特殊な鉄筋工事)
耐震補強工事
- 既存建物の柱・梁への鉄筋追加
- 炭素繊維シートとの併用
- 柱の巻き立て補強(既存柱の周りに新たな鉄筋とコンクリート)
水中コンクリート用配筋
- ケーソン(沈箱)工法での配筋
- 波浪や水流を考慮した結束強度
マスコンクリート対策
- 大断面構造物での温度ひび割れ制御筋
- パイプクーリング用の配筋調整
◇配筋の品質管理
かぶり厚さの確保
- スペーサー(コンクリート製、プラスチック製)の設置
- 鉄筋とコンクリート表面の最小距離を確保
- 基礎:60mm、柱・梁:30〜40mm、スラブ:20〜30mm
配筋間隔の確保
- 鉄筋同士の間隔(あき)を確認
- コンクリートの充填性を確保
- 粗骨材最大寸法の1.25倍以上が基本
定着長さの確保
- 鉄筋をコンクリート内に十分埋め込む
- フック加工による定着長さの短縮
- 継手長さ(重ね継手の場合)
結束の確認
- 結束線による確実な緊結
- 配筋のずれ防止
- コンクリート打設時の型枠圧に耐える固定
◇施工の詳細手順
1. 準備作業
- 施工図(配筋図)の確認
- 鉄筋の検収(材質、径、長さ)
- 加工帳の作成
2. 鉄筋加工
- 加工場での切断・曲げ加工
- 加工精度の確認
- 現場加工(必要に応じて)
3. 墨出し
- 柱・壁の位置出し
- 配筋基準線のマーキング
4. 下部配筋
- スペーサーの設置
- 下端筋の配置と結束
- 位置・間隔の確認
5. 立体配筋
- 柱・壁の立上り配筋
- 梁の組立
- 上端筋の配置
6. 継手処理
- ガス圧接作業(資格者による)
- 機械式継手の取付け
- 継手位置の確認
7. 検査
- 自主検査
- 監理者検査
- 第三者検査(必要に応じて)
- 写真撮影(記録)
8. コンクリート打設準備
- 最終確認
- 清掃(鉄筋の錆、型枠内の異物除去)
- 配筋の保護
◇使用工具・機械
手工具
- 鉄筋カッター(小径用)
- 結束機(電動、手動)
- ハッカー(結束線切断)
電動工具
- 鉄筋切断機
- 鉄筋曲げ機
- 電動結束機
測定器具
- スケール(巻尺)
- 鉄筋径測定器
- かぶり厚さ測定器
重機
- クレーン(大型鉄筋の吊り上げ)
- フォークリフト(鉄筋の運搬)
◇安全管理
重量物取扱い
- 鉄筋は重量があり、落下や転倒の危険
- 適切な保管・運搬方法
切創事故防止
- 鉄筋の端部は鋭利
- 保護手袋の着用
- 鉄筋端部の養生
高所作業
- 高層建築での配筋作業
- 安全帯の使用
- 足場の確保
ガス圧接作業
- 火気使用の管理
- 有資格者による作業
- 換気の確保
鉄筋工事は、建物の寿命や安全性を大きく左右する重要な工事です。正確な施工と徹底した品質管理により、地震や長期荷重に耐えうる構造物が実現されます。
<業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)>
第1欄 建設工事の種類 (建設業法別表) 昭和46年制定 建設工事の内容
鉄筋工事
第2欄 業種 (建設業法別表)
鉄筋工事業
第3欄 建設工事の内容(昭和47年3月8日建設省告示第350号)最終改正平成29年11月10日国土交通省告示第1022号
棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事
第4欄 建設工事の例示(平成13年4月3日国総建第97号)最終改正令和4年12月28日国不建第463号
鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事
第5欄 建設工事の区分の考え方(平成13年4月3日国総建第97号)最終改正令和4年12月28日国不建第463号
●『鉄筋工事』は「鉄筋加工組立て工事」と「鉄筋継手工事」からなっており、「鉄筋加工組立て工事」 は鉄筋の配筋と組立て、「鉄筋継手工事」は配筋された鉄筋を接合する工事である。鉄筋継手に はガス圧接継手、溶接継手、機械式継手等がある。

▲鉄筋工事
鉄筋加工組立て工事
ACCESS COUNTER
Copyright(c)行政書士笹井一宏事務所