15.「板金工事業」/「板金工事」について
※【掲載写真・説明等に関する留意事項】 当サイトに掲載している各建設工事の写真・説明等は、各許可業種の一般的な工事内容をご理解いただくための参考資料として掲載しております。これらの写真・説明等は、当該工事に係る該当業種であることを断定しておらず、該当工事であることを必ずしも保証するものではありません。また、申請に当たっての実際の許可業種や建設工事の判断を個別具体的に示すものではありません。個々の工事における具体的な業種区分や必要な許可につきましては、工事の内容や規模等により異なりますので、各建設工事や各許可業種の判断をされるに当たっては、各法令や通達等を十分熟読し理解され、申請する際は、各許可行政庁に必ず事前にお問い合わせをし、事前相談し、詳細をご確認下さい。

▲板金工事 ダクト

▲板金工事 ダクト

▲板金工事 ダクト

▲板金工事 ダクト

▲板金工事 壁際水切板金工事
「業種」(法律別表) 「建設工事の種類」(法律別表)
14板金工事業 板金工事
◆板金工事(業)とは何ですか?
板金工事業とは、建設業法における建設業の分類での専門工事業の一つで、板金工事とは金属製の薄い板(板金)を加工・取付けして、建築物の屋根、外壁、雨樋などを施工する専門工事で建設工事の種類の一つです。
(主な工事内容)
屋根板金工事
- 金属屋根の葺き替え・新設
- 瓦棒葺き、立平葺き、折板屋根
- 屋根の棟、軒先、谷部の板金加工・取付け
- 天窓周りの板金防水
外壁板金工事
- 金属サイディングの取付け
- 角波板、波板の外壁施工
- 笠木(壁の頂部)の板金加工・取付け
雨樋工事
- 雨樋(軒樋、竪樋)の取付け
- 集水器、継手の施工
水切り・見切り工事
- 建物各部の水切り板金
- 窓周りの見切り材
- 換気口周りの板金加工
ダクト工事
- 空調・換気用のダクト製作・取付け
- 厨房排気ダクト
(使用される主な材料)
金属板の種類
- ガルバリウム鋼板:耐食性に優れ、現在の主流材料
- カラー鋼板:塗装された鋼板
- ステンレス鋼板:耐久性・耐食性が非常に高い
- 銅板:高級建築に使用、経年で緑青が発生
- アルミニウム板:軽量で耐食性がある
- チタン板:最高級の耐久性
- 亜鉛鉄板(トタン):従来材料、現在は減少
板厚
- 一般的に0.3〜1.2mm程度
- 用途により選択
(板金工事の特徴)
加工技術
- 切断、曲げ、はぜ組み(板金同士の接合)
- 現場での寸法取り・加工
- 精密な採寸と加工技術が必要
防水機能
- 建物への雨水浸入を防ぐ重要な役割
- 継目の処理が重要
- 適切な勾配の確保
意匠性
- 建物の外観を形成
- 様々な形状・色の選択が可能
【鋼構造物工事と板金工事の違い】
項目 板金工事
材料 薄い板金(0.3〜1.2mm程度)
役割 屋根・外壁の仕上げ、防水
工法 加工・曲げ・はぜ組み
部位 外装、雨仕舞い
項目 鋼構造物工事材料 厚い鋼材(H形鋼など)役割 建物の骨組み・構造体工法 溶接・ボルト接合部位 構造体
(必要な技術・資格)
- 建築板金技能士:1級・2級の技能検定
- 板金作業主任者:現場での作業管理
- 建築板金基幹技能者:高度な技能を持つ職人
(施工例)
住宅
- 金属屋根の施工
- 雨樋の取付け
- 破風板金、鼻隠し板金
工場・倉庫
- 折板屋根の施工
- 外壁の角波板
ビル・マンション
- 笠木、水切りの施工
- 屋上パラペットの板金
- 換気ダクト
建設業法では専門工事業の一つとして、一定規模以上の工事には専門の建設業許可が必要です。
板金工事は、建物を雨風から守る重要な防水工事であり、職人の高度な技術と経験が求められる専門工事です。
◆板金工事の具体例について、より詳しく説明します。
(屋根板金工事)
金属屋根葺き工事
- 瓦棒葺き(かわらぼうぶき)
- 心木(しんぎ)と呼ばれる角材を一定間隔で配置
- その上に板金を被せる伝統的工法
- 心木の上でキャップを被せて固定
- 勾配:2.5寸(約14度)以上
- 住宅、倉庫などに使用
- ガルバリウム鋼板0.35〜0.4mm厚
- 立平葺き(たてひらぶき)
- 心木を使わない現代的工法
- 板金同士をはぜ組み(折り曲げて接合)
- 縦方向に継目が走る
- 瓦棒より軽量で施工性が良い
- 勾配:1.5寸(約8.5度)以上
- 住宅、店舗、公共施設
- 横葺き(段葺き)
- 横方向に板金を重ねて葺く
- 一文字葺き、平葺き
- 意匠性が高い
- 勾配:3寸(約17度)以上必要
- 住宅、寺社仏閣
- 折板屋根(せっぱんやね)
- 波型に成形された厚手の鋼板
- 大スパンに対応(6〜10m程度)
- 工場、倉庫、体育館などの大型建築
- 板厚0.6〜1.2mm
- ボルトで母屋(もや)に固定
- 重ね形、はぜ締め形、嵌合形(かんごうがた)
- 金属瓦葺き
- 瓦の形状を模した金属製屋根材
- 軽量で耐震性に優れる
- 和風建築の外観を保ちつつ軽量化
- ガルバリウム鋼板製が主流
屋根の各部板金工事
- 棟包み(むねつつみ)
- 屋根の頂部(棟)を覆う板金
- 雨水浸入の防止
- 換気棟の場合は通気機能も
- 板金を折り曲げて山型に加工
- 下地に固定し、継手は重ね代を十分に確保
- 軒先板金(唐草)
- 屋根の軒先端部の板金
- 雨水を雨樋に導く
- 下地板への雨水浸入防止
- L字型に加工して取付け
- ケラバ板金
- 切妻屋根の妻側端部
- 風による雨水の吹込み防止
- 破風板との取合い処理
- 谷樋(たにどい)
- 屋根の谷部分の板金
- 雨水が集中する重要箇所
- ステンレスや銅板を使用することも
- 幅300〜600mm程度
- 十分な勾配と継手処理が重要
- 雪止め金具
- 屋根雪の落下防止
- 板金屋根に専用金具を取付け
- 積雪地域では必須
天窓(トップライト)周りの板金
- 天窓枠周りの水切り板金
- エプロン(下部)、サイド、ヘッド(上部)の各部材
- 雨仕舞いが難しい箇所
- 防水テープとの併用
ドーマー(屋根窓)周りの板金
- 屋根から突き出た窓周りの板金加工
- 複雑な取合い部の処理
- 谷部の板金施工
(外壁板金工事)
金属サイディング
- 横張りサイディング
- 横方向に板金パネルを張る
- 重ね代を確保して雨水浸入防止
- 厚さ15〜16mm程度(断熱材一体型)
- ガルバリウム鋼板0.35〜0.4mm厚
- 住宅外壁に多用
- 縦張りサイディング
- 縦方向に板金パネルを張る
- 雨水の流れが良い
- ビル、店舗、倉庫
角波板・波板外壁
- 角波板(大波板)
- 波型に成形された鋼板
- 倉庫、工場、物置の外壁
- 波ピッチ150mm程度
- 板厚0.4〜0.6mm
- 小波板
- より細かい波型
- 倉庫、車庫、物置
- DIYでも使用される
カーテンウォール用板金
- ビル外壁の金属パネル
- アルミパネル、ステンレスパネル
- 意匠性の高い仕上げ
- 複雑な形状加工
笠木(かさぎ)
- パラペット笠木
- 屋上の立上り壁(パラペット)の頂部
- 防水層の端部を保護
- ステンレスやガルバリウム鋼板
- 板厚0.4〜0.8mm
- 継手は溶接またはシーリング処理
- 内部に雨水浸入を完全に防ぐ
- 手摺笠木
- バルコニー、階段の手摺上部
- 安全性と美観を兼ねる
- アルミ製も多い
破風板金・鼻隠し板金
- 破風板(はふいた)の包み板金
- 切妻屋根の妻側の板
- 木製破風板を板金で包む
- 耐久性向上、メンテナンス軽減
- ガルバリウム鋼板0.35mm厚
- 鼻隠し板金
- 軒先の垂木先端を隠す板
- 雨樋を取り付ける下地
- 同様に板金で包む
幕板(まくいた)
- 1階と2階の境界などの化粧板金
- 横一文字の水平ライン
- 意匠性の向上
(雨樋工事)
軒樋(のきどい)
- 屋根の軒先に取り付ける横方向の樋
- 半円形(半丸)、角型が主流
- サイズ:120〜200mm程度
- 材質:ガルバリウム鋼板、塩ビ、銅
- 吊り金具で固定
- 勾配:1/100〜1/200程度
- 継手は専用の接続金具
竪樋(たてどい)
- 軒樋から地面まで垂直に設置
- 丸型、角型
- サイズ:60〜100mm程度
- 外壁に固定金具(バンド)で取付け
- 2〜3m間隔で支持
集水器(じょうご)
- 軒樋から竪樋への接続部材
- 雨水を集めて竪樋に導く
- 落ち葉除けネット付きも
雨樋の各種部材
- 曲がり(エルボ):竪樋の方向転換
- 這樋(はいどい):地面近くの横引き樋
- 横継手:軒樋の直線接続
- 止まり(キャップ):樋の端部閉塞
- 出隅・入隅:建物のコーナー部材
特殊な雨樋
- 箱樋(はこどい)
- 屋根内部や軒天井内に隠す樋
- 板金で箱型に加工
- 意匠性を重視する建物
- メンテナンスが困難なため注意が必要
(水切り・見切り板金)
窓周りの板金
- 窓台水切り
- 窓の下部に取り付ける
- 雨水を外壁に流さず排水
- L字型の板金加工
- 幅は窓幅+両側50mm程度
- 窓上庇(ひさし)の板金
- 小庇の天板、鼻隠し
- 雨水排水の処理
基礎水切り
- 外壁と基礎の境界部分
- 外壁への雨水浸入防止
- 通気機能を持つ水切りも
- ガルバリウム鋼板0.27〜0.35mm厚
土台水切り
- 木造住宅の土台部分
- シロアリ侵入防止も兼ねる
- 通気口との調整
換気口周りの板金
- 換気フード周りの水切り
- 外壁との取合い処理
- 防水テープ、シーリング併用
配管貫通部の板金
- エアコンダクト周り
- 給排気管周り
- 円形または角型のフラッシング(防水板金)
(ダクト板金工事)
空調ダクト
- 角ダクト(レクタンギュラーダクト)
- 四角形断面のダクト
- サイズ:100×100mm〜1000×1000mm以上
- 板厚0.5〜1.2mm(サイズにより)
- フランジ工法、共板フランジ工法
- スパイラルダクトより安価だが重い
- スパイラルダクト(丸ダクト)
- 円形断面のダクト
- 帯状の鋼板をらせん状に巻いて成形
- 直径100〜800mm程度
- 継手は差込み式
- 軽量で気密性が高い
- 施工性が良い
換気ダクト
- トイレ、浴室の換気ダクト
- 24時間換気システムのダクト
- 亜鉛鉄板、ガルバリウム鋼板
厨房排気ダクト
- レストラン、給食施設の排気
- 板厚0.8〜1.2mm(防火ダミング対応)
- グリスフィルター、防火ダンパーとの接続
- ステンレス製も使用
排煙ダクト
- 火災時の煙排出用
- 防火区画貫通部の処理
- 板厚1.0mm以上
ダクトの付属品
- フレキシブルダクト:可とう性のある蛇腹ダクト
- チャンバーボックス:ダクトの分岐箱
- 吹出口・吸込口:空調の給排気口
- ダンパー:風量調整装置
(特殊板金工事)
銅板屋根工事
- 寺社仏閣、高級住宅
- 板厚0.35〜0.4mm
- 一文字葺き、菱葺き
- 経年で緑青(ろくしょう)が発生し独特の風合い
- はんだ付けによる接合も
ステンレス板金工事
- 高耐久性を要求される箇所
- 谷樋、笠木など
- 板厚0.3〜0.5mm
- ヘアライン仕上げ、鏡面仕上げ
チタン板金工事
- 最高級の耐久性
- 超軽量(鋼板の約60%)
- 寺社、重要建築物
- 板厚0.3mm程度
- 高価だが超長寿命
アルミ板金工事
- 軽量で加工性が良い
- 庇、笠木、雨樋
- 板厚0.5〜1.0mm
- アルマイト処理、焼付塗装
雨押え板金
- 壁と屋根の取合い部
- L字型の板金を壁に差し込む
- 雨水の吹込み防止
- 増築時などに重要
谷板金の補修
- 既存谷樋の劣化補修
- カバー工法(既存の上に新設)
- 谷板金の交換
◇板金加工の技法
はぜ組み
- 一重はぜ:板金の端を一度折り曲げて組む
- 二重はぜ:二度折り曲げて強固に組む
- 三重はぜ:最も強固な接合
- 立平葺き、ダクトなどに使用
折り曲げ加工
- つかみ折り:万力で挟んで折る伝統技法
- ブレーキ折り:折り曲げ機械で加工
- 角度:90度、120度など自在
カシメ加工
- 板金同士を重ねて折り曲げ締結
- 雨樋の継手などに使用
リベット留め
- 鋲(リベット)での固定
- ダクトフランジなどに使用
溶接
- TIG溶接(ステンレス、アルミ)
- アーク溶接(鋼板)
- 高度な技術が必要
ハゼ締め機
- 電動または手動の専用工具
- 立平葺きのはぜを締める
◇施工手順(立平葺き屋根の例)
1. 下地工事
- 野地板(構造用合板)の施工
- ルーフィング(防水シート)の敷設
- 重ね代200mm以上
2. 軒先板金の取付け
- 唐草(軒先水切り)の固定
- 水平精度の確認
3. ケラバ板金の取付け
- 妻側の水切り板金
- 雨仕舞いの確保
4. 板金の割付け
- 屋根幅に応じた板金幅の決定
- 働き幅300〜450mm程度
- 均等割付けの検討
5. 板金の取付け
- 軒先から棟に向かって施工
- 専用の吊子(つりこ)で固定
- 吊子を野地板にビス留め
- 板金の両端を立ち上げる(立上り部分)
6. はぜ締め
- 隣り合う板金同士を組み合わせる
- はぜ締め機で締め付け
- 一重はぜまたは二重はぜ
7. 棟包みの取付け
- 棟部分の防水処理
- 棟包み板金の加工・取付け
- 換気機能の確保(必要に応じて)
8. 雨樋の取付け
- 吊り金具の取付け
- 軒樋の設置
- 勾配の確認
- 竪樋の接続
9. 最終確認
- 全体の水仕舞い確認
- ビス締め忘れのチェック
- 清掃
◇使用工具
手工具
- 掴み(つかみ):板金を折る伝統工具
- コンパス:円弧の罫書き
- ハサミ(シャーカッター):板金切断
- 折り台:板金を折り曲げる作業台
- 罫書き針:線を引く
- ケレン棒:旧塗膜除去
電動工具
- ニブラ:板金切断機
- シャー(板金切断機):直線切断
- 電動はぜ締め機:はぜ締め作業
- 電動折り曲げ機(ブレーキ):折り曲げ加工
- インパクトドライバー:ビス締め
- 電動ドリル:穴あけ
測定工具
- 巻尺、スケール
- 水平器、レベル
- 直角定規、スコヤ
- 墨壺(すみつぼ)
◇安全管理
高所作業
- 足場、安全帯の使用
- 屋根上での滑落防止
- 悪天候時の作業中止
切創事故防止
- 板金のエッジは鋭利
- 保護手袋(革手袋、防刃手袋)
- 切断面の面取り処理
工具の安全使用
- 電動工具の取扱い注意
- 感電防止
- 回転部への巻込み防止
◇品質管理
防水性能
- 継手部の重ね代確保
- シーリングの適切な施工
- 勾配の確保(水勾配)
固定強度
- ビス・釘の適切な間隔
- 吊子の確実な固定
- 風圧力への対応
外観品質
- 板金の傷、凹み防止
- 通りの精度(真っ直ぐさ)
- 色むらの防止
寸法精度
- 加工寸法の正確性
- 取付け位置の精度
- 水平・垂直の確認
板金工事は、建物を雨風から守る重要な防水工事であると同時に、建物の外観を形成する意匠工事でもあります。職人の高度な技術により、薄い金属板が建物を守る重要な部材に生まれ変わります。近年は、高耐久材料や省エネ性能を持つ製品も開発され、建物の長寿命化と環境負荷低減に貢献しています。
<業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)>
第1欄 建設工事の種類 (建設業法別表) 昭和46年制定 建設工事の内容
板金工事
第2欄 業種 (建設業法別表)
板金工事業
第3欄 建設工事の内容(昭和47年3月8日建設省告示第350号)最終改正平成29年11月10日国土交通省告示第1022号
金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製 等の付属物を取付ける工事
第4欄 建設工事の例示(平成13年4月3日国総建第97号)最終改正令和4年12月28日国不建第463号
板金加工取付け工事、建築板金工事
第5欄 建設工事の区分の考え方(平成13年4月3日国総建第97号)最終改正令和4年12月28日国不建第463号
● 「建築板金工事」とは、建築物の内外装として板金をはり付ける工事をいい、具体的には建築物の 外壁へのカラー鉄板張付け工事や厨房の天井へのステンレス板張付け工事等である。
● 「瓦」、「スレート」及び「金属薄板」については、屋根をふく材料の別を示したものにすぎず、また、 これら以外の材料による屋根ふき工事も多いことから、これらを包括して「屋根ふき工事」とする。 したがって板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当する。

▲板金工事 板金壁

▲板金工事 金属製雨戸
ACCESS COUNTER
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