24.「さく井工事業」/「さく井工事」について
※【掲載写真・説明等に関する留意事項】 当サイトに掲載している各建設工事の写真・説明等は、各許可業種の一般的な工事内容をご理解いただくための参考資料として掲載しております。これらの写真・説明等は、当該工事に係る該当業種であることを断定しておらず、該当工事であることを必ずしも保証するものではありません。また、申請に当たっての実際の許可業種や建設工事の判断を個別具体的に示すものではありません。個々の工事における具体的な業種区分や必要な許可につきましては、工事の内容や規模等により異なりますので、各建設工事や各許可業種の判断をされるに当たっては、各法令や通達等を十分熟読し理解され、申請する際は、各許可行政庁に必ず事前にお問い合わせをし、事前相談し、詳細をご確認下さい。

▲さく井工事

▲さく井工事 ボーリングマシン

▲さく井工事 ボーリング調査

▲さく井工事 地盤調査

▲さく井工事
ボーリング工事 さく孔
「業種」(法律別表) 「建設工事の種類」(法律別表)
24さく井工事業 さく井工事
◆さく井(さくせい)工事(業)とは何ですか?
さく井工事業とは、建設業法における専門工事業の一つで、さく井工事とは、地下水を取り出すための井戸を掘削する工事を行う事業のことで建設工事の種類の一つです。「さく井」は「鑿井」と書き、「さくせい」と読みます。井戸を掘ることを意味します。
(主な工事内容)
さく井工事には以下のようなものが含まれます:
- さく井工事 - 地下水採取のための井戸掘削
- 観測井工事 - 地下水位や水質を観測するための井戸
- 温泉掘削工事 - 温泉井戸の掘削
- 井戸洗浄・修繕 - 既存井戸のメンテナンス
- さく孔工事 - ボーリング孔の掘削
- 地下水調査 - 地質調査、揚水試験
- 井戸ポンプ設置 - 揚水設備の設置工事
(建設業法上の位置づけ)
建設業法により、さく井工事業は29業種ある建設業の専門工事の一つとして定められています。一定規模以上の工事を請け負う場合は、国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要です。
(さく井工事の特徴)
専門的な技術
- 地質や地下水脈の知識が必要
- 掘削機械(ボーリングマシン等)の操作技術
- 深度や地層に応じた工法の選択
水資源の確保
- 飲料水、工業用水、農業用水の確保
- 災害時の非常用水源
- 地下水の持続可能な利用
環境への配慮
- 地下水の過剰採取による地盤沈下の防止
- 水質保全
- 適切な井戸管理
(主な用途)
- 上水道 - 飲料水の確保
- 工業用水 - 工場での製造プロセス用
- 農業用水 - 灌漑用井戸
- 温泉 - 温泉施設向け
- 地中熱利用 - 地中熱ヒートポンプシステム
- 消雪井戸 - 道路の融雪用
- 防災井戸 - 災害時の水源確保
(掘削方法の種類)
ロータリー式
- 回転させながら掘削する方法
- 比較的深い井戸に適用
パーカッション式
- 打撃により掘削する方法
- 硬い地層に有効
エアハンマー式
- 圧縮空気を利用した掘削
- 深井戸掘削に使用
さく井工事は、生活や産業に不可欠な水資源を確保するための重要な専門工事です。地下水という見えない資源を適切に開発・管理する技術が求められます。
◆さく井工事の具体例について、より詳しく説明します。
1. 上水道用井戸工事
深井戸掘削
- 深度50m~数百mの井戸掘削
- 地質調査による帯水層の特定
- ケーシング(井戸管)の挿入
- ストレーナー(スクリーン)の設置
- グラベルパッキング(砂利充填)
- 止水工(地表水の侵入防止)
浅井戸掘削
- 深度10~30m程度
- 不圧地下水の採取
- 簡易な工法での施工
- 個人住宅や小規模施設向け
水質検査・処理
- 採水後の水質分析
- 飲料水基準への適合確認
- 必要に応じた浄水設備の設置
- 消毒設備(塩素注入装置等)
2. 工業用水井戸工事
工場向け井戸
- 大量の工業用水確保
- 冷却水、洗浄水、製造プロセス用
- 大口径井戸の掘削(直径200~600mm)
- 高揚水量対応(毎分数百リットル~)
- 複数井戸の設置
揚水設備
- 水中ポンプの設置
- 受水槽・配管工事
- 自動制御システム
- 流量計・水位計の設置
- 電気設備工事
地下水利用許可
- 地下水採取の届出・許可申請
- 揚水量の管理
- 地盤沈下対策との調整
3. 農業用井戸工事
灌漑用井戸
- 田畑への水供給
- 季節的な大量揚水に対応
- 浅層地下水の利用が多い
- ポンプ小屋の設置
- 配管・散水設備との接続
畜産用井戸
- 家畜飼育用水の確保
- 清潔な地下水の利用
- 安定した水量の確保
ハウス栽培用
- 温室での灌水用
- 点滴灌漑システムとの連携
4. 温泉井戸掘削工事
温泉掘削
- 深度500m~2,000m以上の掘削も
- 温泉法に基づく許可取得
- 掘削中の温度・ガス測定
- 高温・高圧対応の資材使用
- 温泉湧出後の仕上げ工事
源泉設備
- 揚湯ポンプの設置(自噴しない場合)
- 貯湯槽の設置
- 配管工事(保温配管)
- ガス分離装置
- 温度・流量の監視装置
泉質検査
- 温泉成分分析
- 泉質の判定
- 療養泉認定の取得
5. 地中熱利用井戸工事
地中熱ヒートポンプ用
- クローズドループ方式
- Uチューブを埋設した井戸
- 不凍液を循環させる
- 深度50~150m程度
- オープンループ方式
- 地下水を直接利用
- 還元井戸とセットで設置
施工内容
- 熱交換器の挿入
- グラウト充填(隙間を埋める)
- 配管接続
- ヒートポンプ設備との接続
メリット
- 冷暖房の省エネルギー化
- CO2削減効果
- ランニングコストの低減
6. 消雪井戸工事
道路融雪用
- 地下水を路面に散水
- 井戸からポンプで揚水
- 散水ノズルの配置
- 温度センサーによる自動制御
- 冬季の道路凍結防止
融雪システム
- 散水消雪方式
- ロードヒーティング併用
- 地下水の温度利用(10~15℃程度)
環境配慮
- 地下水の過剰採取防止
- 還元井戸の設置(水を地下に戻す)
- 地盤沈下モニタリング
7. 観測井工事
地下水観測井
- 地下水位の継続的観測
- 水質モニタリング
- 地盤沈下観測
- 自動記録装置の設置
環境調査井
- 土壌汚染調査用
- 地質調査用
- 複数深度での採水
建設工事関連
- 地下工事前の地下水位調査
- 揚水試験用井戸
- 工事中の水位監視
8. 井戸洗浄・修繕工事
井戸洗浄(リハビリテーション)
- 目詰まりの除去
- 高圧洗浄
- 薬品処理(酸洗浄等)
- エアリフト洗浄
- ブラッシング作業
井戸修繕
- ケーシングの補修
- ストレーナーの交換
- 井戸内カメラ調査
- 揚水量回復工事
定期メンテナンス
- 年次点検
- 水質検査
- ポンプ点検・交換
- 井戸機能の診断
9. 掘削工法の詳細
ロータリー式掘削
- ビットを回転させて掘削
- 泥水を循環させて掘削屑を排出
- 軟岩~中硬岩に適用
- 比較的高速な掘削
- 深度300m程度まで
パーカッション式(打撃式)
- ビットを上下動させて打撃
- 硬岩・玉石層に有効
- 掘削速度は遅いが確実
- 口径の大きな井戸に適用
エアハンマー式
- 圧縮空気でハンマーを駆動
- 深井戸掘削に使用
- 500m以上の掘削も可能
- 硬岩層の貫通能力が高い
ダウンザホールハンマー式
- 孔内でハンマーが作動
- 深井戸・硬岩に最適
- 高い掘削効率
10. 井戸の構造
基本構造
- 表層ケーシング - 地表近くの崩壊防止
- 本ケーシング - 井戸の壁を保護
- ストレーナー - 地下水取水部(スリット入り管)
- グラベルパック - ストレーナー周囲の砂利層
- キャップ - 井戸頭部の保護蓋
材質
- 鋼管(スチール製)
- 塩ビ管(PVC)
- ステンレス管(温泉・腐食性地下水用)
11. 揚水試験
段階揚水試験
- 揚水量を段階的に変化
- 最適揚水量の決定
- 帯水層の性質把握
連続揚水試験
- 24~72時間の連続揚水
- 水位低下の観測
- 井戸性能の評価
- 影響範囲の確認
回復試験
- 揚水停止後の水位回復測定
- 帯水層の貯留係数算定
12. 特殊なさく井工事
傾斜掘削
- 斜めに掘削する工法
- 狭い敷地での対応
- 水平方向への展開
多段ストレーナー
- 複数の帯水層から取水
- 深度別の水質利用
集水井工事
- 大口径の立坑から横穴を掘削
- 広範囲からの集水
- 大量取水が必要な場合
◇工事の流れ
一般的なさく井工事は以下の流れで進みます:
- 事前調査 - 地質調査、既存資料の収集
- 試掘・物理探査 - 電気探査、弾性波探査等
- 許可申請 - 地下水採取許可、温泉掘削許可等
- 掘削準備 - 機材搬入、やぐら組立
- 掘削作業 - 工法に応じた掘削
- ケーシング・ストレーナー挿入
- グラベルパッキング
- 洗浄・仕上げ
- 揚水試験
- 水質検査
- ポンプ設置
- 竣工検査・引渡し
◇必要な資格・技能
- さく井技能士(1級・2級)
- 地質調査技士
- ボーリングマシン運転技能者
- 温泉掘削技能者
- 地下水技術者
◇法規制
- 建設業法 - さく井工事業の許可
- 水道法 - 上水道用の場合
- 温泉法 - 温泉掘削の許可
- 地下水採取規制条例 - 各自治体の規制
さく井工事は、地下という見えない世界を相手にする高度な専門技術が必要な工事です。地質状況に応じた工法選択、適切な井戸設計、そして持続可能な地下水利用のための技術と知識が求められます。
<業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)>
第1欄 建設工事の種類 (建設業法別表) 昭和46年制定 建設工事の内容
さく井工事
第2欄 業種 (建設業法別表)
さく井工事業
第3欄 建設工事の内容(昭和47年3月8日建設省告示第350号)最終改正平成29年11月10日国土交通省告示第1022号
さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事
第4欄 建設工事の例示(平成13年4月3日国総建第97号)最終改正令和4年12月28日国不建第463号
さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築 造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事
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