27.「消防施設工事業」/「消防施設工事」について
※【掲載写真・説明等に関する留意事項】 当サイトに掲載している各建設工事の写真・説明等は、各許可業種の一般的な工事内容をご理解いただくための参考資料として掲載しております。これらの写真・説明等は、当該工事に係る該当業種であることを断定しておらず、該当工事であることを必ずしも保証するものではありません。また、申請に当たっての実際の許可業種や建設工事の判断を個別具体的に示すものではありません。個々の工事における具体的な業種区分や必要な許可につきましては、工事の内容や規模等により異なりますので、各建設工事や各許可業種の判断をされるに当たっては、各法令や通達等を十分熟読し理解され、申請する際は、各許可行政庁に必ず事前にお問い合わせをし、事前相談し、詳細をご確認下さい。

▲消防施設工事 スプリンクラー

▲消防施設工事 消火栓

▲消防施設工事 スプリンクラー

▲消防施設工事 ビル消火栓

▲消防施設工事 連結送水管送水口
「業種」(法律別表) 「建設工事の種類」(法律別表)
27消防施設工事業 消防施設工事
◆消防施設工事(業)とは何ですか?
消防施設工事業とは、建設業法における専門工事業の一つで、消防施設工事とは、火災から人命や財産を守るための消防設備を設置する工事のことで建設工事の種類の一つです。
(主な工事内容)
消防施設工事には以下のようなものが含まれます:
- 屋内消火栓設備 - 建物内の消火栓
- スプリンクラー設備 - 自動散水消火設備
- 水噴霧消火設備 - 霧状の水で消火
- 泡消火設備 - 泡による消火
- 不活性ガス消火設備 - CO2、窒素等のガス消火
- ハロゲン化物消火設備 - ハロン、HFC等
- 粉末消火設備 - 粉末による消火
- 屋外消火栓設備 - 建物外部の消火栓
- 動力消防ポンプ設備 - 消火用ポンプ
(建設業法上の位置づけ)
建設業法により、消防施設工事業は29業種ある建設業の専門工事の一つとして定められています。一定規模以上の工事を請け負う場合は、国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要です。
(消防施設工事の特徴)
法令による厳格な規制
- 消防法による設置義務
- 建築基準法との関連
- 定期的な点検・報告義務
- 消防署への届出・検査
高い専門性
- 消防設備士の資格が必要
- 配管・電気・機械の総合的知識
- 水理計算などの専門知識
人命に直結
- 確実な施工が不可欠
- 緊急時に確実に作動する必要
- 定期的なメンテナンスが重要
(設置が必要な建物)
建物の用途や規模により設置義務があります:
- 大規模建築物 - 高層ビル、大型商業施設
- 特定防火対象物 - 病院、ホテル、飲食店、百貨店等
- 地下街・地下駐車場
- 危険物施設 - ガソリンスタンド、化学工場等
- 共同住宅 - 一定規模以上のマンション
【消防設備との違い】
消防施設工事業(建設業許可)
- 水系の消火設備の配管工事が中心
- 建設業法による規制
消防設備士(国家資格)
- 消防用設備等の工事・整備・点検
- 消防法による規制
- 甲種と乙種がある
実際の工事では、消防施設工事業の許可と消防設備士の資格の両方が必要になることが多いです。
(関連する設備)
消防施設工事業者は、消火設備以外にも以下を扱うことがあります:
- 自動火災報知設備 - 感知器、受信機(電気工事との境界)
- 誘導灯・非常照明 - 避難誘導設備
- 排煙設備 - 煙を排出する設備
- 連結送水管 - 消防隊が使用する配管
消防施設工事は、火災という緊急事態に備える重要なライフライン設備です。確実な施工と適切な維持管理により、人命と財産を守る使命を担っています。
◆消防施設工事の具体例についてより詳しく説明してください。
消防施設工事の具体例について、より詳しく説明します。
1. 屋内消火栓設備工事
1号消火栓(標準型)
設備構成
- 消火栓箱(扉付きの収納箱)
- ホース(15m以上、口径40mm)
- ノズル(筒先)
- 開閉弁
- 起動表示灯
- 起動ボタン
設置基準
- 防火対象物の各部分から消火栓までの水平距離25m以下
- 各階に設置
- 放水圧力0.17MPa以上、放水量130L/分以上
施工内容
- 消火栓箱の壁面取付
- 配管工事(主管・立管・枝管)
- ポンプ室の設置
- 消火ポンプの据付
- 受水槽・高架水槽の設置
- 配管の接続・試験
- 電気配線(起動回路、表示灯)
- 放水試験
- 消防署の検査
2号消火栓(易操作性1号、広範囲型)
特徴
- 1人で操作可能
- ホースが25m
- ノズルが軽量
- 女性や高齢者でも使いやすい
設置
- 比較的小規模な建物
- 水平距離30m以下でカバー
2. スプリンクラー設備工事
閉鎖型スプリンクラー
構造
- スプリンクラーヘッド(感熱部付き)
- 配管ネットワーク
- 流水検知装置
- 加圧送水装置(ポンプ)
- 水源(受水槽)
- 制御盤
ヘッドの種類
- 標準型 - 天井から下向き散水
- 側壁型 - 壁面取付、横方向散水
- 下向き型 - 最も一般的
- 上向き型 - 配管が床下の場合
作動原理
- 火災で温度上昇(68℃、79℃等)
- ヘッドの感熱部が溶解・破壊
- 水が自動散水
- 流水検知装置が作動
- ポンプが自動起動
- 火災信号を発信
配管方式
- 湿式 - 配管内に常時水が充填(最も一般的)
- 乾式 - 配管内は加圧空気(凍結する場所)
- 予作動式 - 火災感知器と連動
- 開放型 - 一斉開放弁で制御
施工手順
- 設計・計算(水理計算、ヘッド配置)
- 配管ルートの墨出し
- 配管支持金物の取付
- 主管・枝管の配管工事
- スプリンクラーヘッドの取付
- 流水検知装置の設置
- ポンプ・制御盤の設置
- 配管の耐圧試験
- 総合試験(実放水試験)
- 消防検査
設置対象
- 延床面積6,000㎡以上の特定防火対象物
- 11階以上の建物
- 地下街
- 老人福祉施設、病院等
3. 泡消火設備工事
用途
危険物施設
- 石油タンク
- 給油取扱所(ガソリンスタンド)
- 航空機格納庫
- 駐車場
特徴
- 油火災に効果的
- 水では消火できない火災に対応
- 泡で酸素を遮断
設備構成
泡消火薬剤
- 水成膜泡消火薬剤(AFFF)
- タンパク泡消火薬剤
- 合成界面活性剤泡
主要機器
- 泡消火薬剤貯蔵槽
- 混合装置(プロポーショナー)
- 泡放出口(泡ヘッド)
- 加圧送水装置
- 制御盤
固定式泡消火設備
- タンクの周囲に固定設置
- 自動起動システム
- 泡放出ヘッドから散布
移動式泡消火設備
- 泡消火栓
- ホースとノズルで放射
施工内容
- 薬剤タンクの設置
- 混合装置の据付
- 配管工事(水・薬剤)
- 泡放出口の設置
- 感知器との連動設定
- 放射試験
4. 不活性ガス消火設備工事
CO2消火設備
用途
- 電気室、発電機室
- 通信機械室、コンピューター室
- 駐車場
- 美術館、博物館
特徴
- 水損を嫌う場所に最適
- 電気設備に使用可能
- 窒息消火
設備構成
- CO2貯蔵容器(高圧ボンベ)
- 選択弁
- 配管
- 噴射ヘッド
- 起動装置
- 音響警報装置
- 放出表示灯
全域放出方式
- 防護区画全体にガスを充満
- 密閉性が重要
- 人がいる場合は避難確保
局所放出方式
- 特定の機器周辺のみ
- 開放空間でも使用可
施工の注意点
- 高圧ガス保安法の適用
- ボンベ室の設置
- 配管の耐圧試験
- 避難警報との連動
- 人命安全対策(遅延装置、非常停止)
窒素ガス消火設備
特徴
- CO2より安全性が高い
- 人体への影響が少ない
- 環境に優しい
用途
- 有人区画
- データセンター
- 文化財保護
5. ハロゲン化物消火設備工事
HFC-227ea、HFC-23等
特徴
- オゾン層破壊係数ゼロ
- ハロン代替品
- 清浄消火剤(残渣が残らない)
用途
- 電算室
- 通信機器室
- 制御室
- 貴重品保管庫
設備
- 貯蔵容器
- 配管・ヘッド
- 制御盤
- 警報装置
施工
- CO2設備と類似
- 薬剤量の正確な計算
- 密閉性の確保
6. 粉末消火設備工事
用途
- 危険物施設
- 駐車場
- 変電設備
特徴
- ABC粉末消火剤が一般的
- 電気火災にも有効
- 油火災にも対応
設備構成
- 粉末貯蔵容器
- 加圧用ガス容器(窒素、CO2)
- 配管
- 噴射ヘッド
- 起動装置
問題点
- 粉末が周囲に飛散
- 清掃が大変
- 視界が悪くなる
7. 屋外消火栓設備工事
設置対象
- 延床面積9,000㎡以上の建物
- 指定可燃物の貯蔵・取扱施設
設備構成
消火栓部分
- 地上式消火栓または地下式
- ホース(長さ30m以上、口径50mm)
- ノズル
- 格納箱
送水設備
- 消火ポンプ
- 水源(受水槽、貯水池)
- 配管(地中埋設)
設置基準
- 建物の各部分から消火栓まで水平距離40m以下
- 放水圧力0.25MPa以上
- 放水量350L/分以上
施工内容
- 地中配管工事(埋設深さ確保)
- 消火栓ボックスの設置
- ポンプ設備の設置
- 配管接続
- 耐圧試験
- 放水試験
- 防寒対策(寒冷地)
8. 連結送水管設備工事
用途
消防隊専用
- 高層建築物(5階以上、31m以上)
- 地下街
目的
- 消防隊が消火活動に使用
- ポンプ車から送水
- 建物内で放水
設備構成
送水口
- 建物外壁(地上階)
- 双口形(2つの接続口)
- 「送水口」の表示
配管
- 立管(竪管)
- 各階への配管
放水口
- 各階に設置
- 消防ホース接続用
- 消防隊が使用
種類
- 湿式 - 常時水が充填
- 乾式 - 使用時に送水
施工内容
- 立管の配管工事
- 送水口の外壁設置
- 各階放水口の設置
- 配管支持金物
- 耐圧試験
- 標識設置
9. 水噴霧消火設備工事
用途
- 変圧器、発電機
- 危険物タンク
- ケーブルトンネル
- 駐車場
特徴
- 微細な霧状の水
- 冷却効果と窒息効果
- 電気絶縁性あり
設備
- 水噴霧ヘッド
- 一斉開放弁
- 加圧送水装置
- 火災感知器(連動)
作動
- 火災感知器が作動
- 一斉開放弁が開放
- 全ヘッドから噴霧
10. ポンプ設備工事
消火ポンプの種類
電動ポンプ
- 最も一般的
- 電動機で駆動
ディーゼルポンプ
- 停電時も稼働
- 非常用動力源
蒸気タービンポンプ
- 工場等で使用
ポンプ室の設置
場所
- 地下または1階
- 浸水しない場所
- メンテナンス空間確保
設備
- ポンプ本体
- 呼水槽
- 制御盤
- 配管・弁類
- 圧力計、流量計
- 試験配管
施工内容
- ポンプ基礎の構築
- ポンプの据付(レベル調整)
- 吸込配管・吐出配管接続
- 呼水槽設置
- 制御盤設置
- 電気配線
- 性能試験
- 防振対策
性能試験
- 定格負荷運転 - 規定圧力・流量の確認
- 締切運転 - ポンプ停止時圧力
- 自動起動試験 - 圧力低下時の自動起動
11. 受水槽・高架水槽工事
消防用水の確保
容量計算
- スプリンクラー、屋内消火栓等の所要水量
- 継続放水時間(20分~60分)
- 他の用途との兼用も可
受水槽
- 地下または地上設置
- FRP製、鋼板製等
- 吸込配管の取出し
高架水槽
- 重力式の場合に設置
- 屋上・塔屋に設置
- 所要圧力確保
12. 配管工事
配管材料
鋼管
- 配管用炭素鋼鋼管(SGP)
- 圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)
- ねじ接合、溶接接合
ステンレス鋼管
- 耐食性が高い
- プレス式継手接合
塩化ビニル管
- 地中埋設配管
- 軽量で施工性良好
配管施工
支持金物
- 吊バンド、Uボルト
- 振止め金物
- 間隔の基準遵守
勾配
- 空気抜き、排水を考慮
- 1/100~1/200程度
試験
- 耐圧試験 - 使用圧力の1.5倍で加圧
- 漏水試験 - 接合部の確認
13. 電気設備との連動
自動火災報知設備
連動内容
- 感知器作動→消火設備起動
- スプリンクラー作動→火災信号
- 受信機への信号伝送
非常放送設備
- 消火設備作動時の放送
- 避難誘導アナウンス
防火戸・防火シャッター
- 消火設備区画との連動
- 煙感知器との連動
14. 法令遵守と検査
消防法による規制
設置義務
- 建物用途・規模による
- 消防法施行令で規定
工事届出
- 着工前の届出
- 消防長または消防署長
検査
- 消防設備士による施工
- 消防署の完成検査
- 検査済証の交付
点検・報告
- 機器点検(6ヶ月ごと)
- 総合点検(1年ごと)
- 消防署への報告(1~3年ごと)
建築基準法との関係
- 確認申請での審査
- 完了検査での確認
- 消防同意
15. 維持管理
定期点検
機器点検
- 外観確認
- 機能確認
- 簡易操作試験
総合点検
- 実放水試験
- ポンプ性能試験
- 総合的な機能確認
不良箇所の是正
- 部品交換
- 調整作業
- 修理工事
消耗品の交換
- ホース(劣化、亀裂)
- パッキン類
- 表示灯電球
- 蓄電池
◇必要な資格
消防設備士(国家資格)
甲種
- 工事・整備・点検が可能
- 第1類~第5類、特類
乙種
- 整備・点検のみ
- 第1類~第7類
各類の対象設備
- 甲種第1類/乙種第1類 - スプリンクラー、水噴霧等
- 甲種第2類/乙種第2類 - 泡消火設備
- 甲種第3類/乙種第3類 - 不活性ガス消火設備
- 甲種第4類/乙種第4類 - 自動火災報知設備等
- 甲種第5類/乙種第5類 - 金属製避難はしご等
- 乙種第6類 - 消火器
- 乙種第7類 - 漏電火災警報器
- 甲種特類 - 特殊消防設備
◇その他の資格
- 消防設備点検資格者
- 危険物取扱者
- 高圧ガス製造保安責任者
- 管工事施工管理技士
◇工事の流れ
- 設計・計算 - 水理計算、設備選定
- 消防署との事前協議
- 工事届出 - 着工10日前まで
- 機器・材料の手配
- 配管工事 - 主管、立管、枝管
- 機器据付 - ポンプ、水槽等
- 配管接続
- 電気配線工事
- 耐圧試験
- 機能試験
- 総合試験
- 消防検査 - 完成検査
- 検査済証交付
- 引渡し・取扱説明
消防施設工事は、人命を守る最後の砦となる重要な設備です。確実な施工と適切な維持管理により、火災時に確実に機能することが求められます。法令遵守と高い技術力が必要な専門性の高い工事分野です。
<業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)>
第1欄 建設工事の種類 (建設業法別表) 昭和46年制定 建設工事の内容
消防施設工事
第2欄 業種 (建設業法別表)
消防施設工事業
第3欄 建設工事の内容(昭和47年3月8日建設省告示第350号)最終改正平成29年11月10日国土交通省告示第1022号
火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要 な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事
第4欄 建設工事の例示(平成13年4月3日国総建第97号)最終改正令和4年12月28日国不建第463号
屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、 不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外 消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工 事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事
第5欄 建設工事の区分の考え方(平成13年4月3日国総建第97号)最終改正令和4年12月28日国不建第463号
●「金属製避難はしご」とは、火災時等にのみ使用する組立式のはしごであり、ビルの外壁に固定された避難階段等はこれに該当しない。したがって、このような固定された避難階段を設置する工事 は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物 工事』に該当する。
●『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するも のもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するも のとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。

▲消防施設工事 連結散水設備

▲消防施設工事
連結送水管/採水口

▲消防施設工事 消火用散水栓

▲消防施設工事 消火栓

▲消防施設工事 泡消火設備

▲消防施設工事
消防隊専用送水口

▲消防施設工事
立体駐車場消火設備

▲消防施設工事 消防施設配管
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